増加する口腔がんに注意!
超高齢社会の到来とともに、わが国では口腔がんが増加してきています。日本における口腔・咽頭がんの患者数は1975年には2,450人でしたが、2013年には19,000人とほぼ8倍に急増しており、2016年には年間7,700人もの方が命を落としています。子宮頸がんの年間死亡数2,700人と比較すると圧倒的に多くなっています。
アメリカやイギリスなどでは国を挙げて口腔がん対策に取り組んでいて死亡数は年々減少していますが、日本は先進国であるにもかかわらず口腔がん死亡数が増加しています。これは日本人の口腔がんに対する認知度の低さが原因のひとつであり、多くの口腔がんが進行がんとなるまで見過ごされてしまっており、口腔がん早期発見のための早急な対策が求められています。
近年、口腔がんによる死亡者数が急増!
口には「食べる」「話す」「表情を作る」等、豊かな人生を送るための重要な働きがあります。このような身体の大切な一部である口にも“がん”(口腔がん)が発生することは意外に知られていません。初期の口腔がんは後遺症もほとんど残らずに完治させることができますが、進行がんになってしまうと治療によって舌や顎の骨を大きく切除したり、最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。
川口市口腔がん検診が始まりました!
このような状況から、数年前より“口腔がん検診”がスタートし、30歳以上の川口市民であれば500円で、さらに70歳以上であれば無料で受診することができるようになっています。
“口腔がん検診”が始まる以前より、当院では歯・歯肉だけでなく舌・口腔粘膜・顎関節をはじめ頭頸部全体をしっかり診るようにしていますので、開業33年目にして27例もの悪性腫瘍を発見し、地域医療に貢献しています。
口腔・咽頭がんの罹患数・死亡数については、治療法が進んだ今日でも死亡率が46%と非常に高いことが特徴で、胃がん(33%)乳がん(19%)を上回っています。早期発見・早期治療のために定期的な検診を心がけましょう。 |