抜歯等の通常の外科処置の他に、良性・悪性腫瘍の鑑別(口腔がん検診)をはじめ炎症、口腔粘膜疾患、舌疾患、外傷、歯の移植、顎関節症、全身疾患との関連といった幅広い症例に対応しています。また、日本口腔外科学会指導医による特別外来もあり、大学病院との医療連携も充実しています。
歯科の領域でも入院手術が必要な疾患があり、口腔がん(悪性腫瘍)や外傷・骨折をはじめ、顎の骨や周辺の軟組織にできる良性腫瘍、嚢胞、炎症等が主な対象となります。嚢胞とは病的に形成された袋状の構造を言い、歯の神経(歯髄)の炎症が原因で歯根の先にできた嚢胞は歯根嚢胞と呼ばれ、臨床的に頻度の高いものです。
歯根嚢胞は歯根端切除術と同時に摘出しますが、大きいケースでは入院手術を要することもあります。
写真1 左下顎の良性腫瘍像
写真1は左の下顎骨の中にできたエナメル上皮腫という良性腫瘍のX線像です。私が大学病院の口腔外科に在職中の症例ですが(14歳女性)、左の下顎が大きく腫れてきて、かかりつけの歯科医から紹介されて来院されました。
このような口腔疾患は、当院で治療することができます。
お口のなかの不快な症状があるようなら、お気軽にご相談ください。
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顎変形症の手術
写真2 手術前後の比較
顎変形症とは、顎の骨の形や大きさの異常により不正咬合をきたしている状態です。写真2のようなケースは日本人に最も多い顎変形症で、一般には受け口と呼ばれています。まずは術前の矯正治療が行われ、次いで、上顎骨や下顎骨に対して顎変形症手術が行われます。術後に再び矯正治療が行われて治療が終了となります。
多くの場合、下顎が過成長している場合は下顎骨の後方移動術を、上顎が劣成長している場合は上顎骨の前方移動術を行います。写真2はその両方の手術を行ったケースの術前・術後を表します。この症例では、上顎を約5ミリ前下方に、下顎を約10ミリ後方に移動していますが、かみ合わせだけでなく顔貌も著明な改善を得ることができました。患者さんのQOL(Quality of Life)に大きく影響する治療と言えます。