埼玉県川口市仲町2-8サンライフ碧雲2F 川口駅徒歩12分 |
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歯ぎしり・くいしばり皆さんは“歯ぎしり”をしていますか?と言っても、ご自身では分らないですよね。家族に歯ぎしりを指摘されたり、起床時に顎がだるくて疲れた感じがあったり、歯の痛みや舌の違和感などの症状がある場合は、就寝中に歯ぎしりをしている可能性が高いと考えられます。中には、ご自身の歯ぎしりで夜間に目が覚めてしまう笑い話のようなケースもあります。 成人の咬合力(噛む力)は40〜70sと言われていますが、歯ぎしり時には300sもの力が加わることが解っており、過度の力が破壊的な力として歯や歯肉、顎、顎関節、筋肉に加わってしまいます。そのため、歯ぎしりは周囲が迷惑なだけでなく、本人にもさまざまな問題を引き起こしてしまいます。 写真1のような歯の摩耗(咬耗)は中高年の方に比較的多く見られ、中には歯にヒビが入って抜歯に至ってしまうこともあります。歯の根元のエナメル質とセメント質との境目がくさび型に欠損してしまう楔状欠損(写真2)はしばしば知覚過敏を伴います。
写真4、5は、顎の骨が隆起してきてしまったもので、強い咬合力が骨に影響を及ぼした結果と考えられます。組織的な異常は無いのですが、食べかすが溜まりやすくなって歯石沈着を起こしやすくなったり、義歯を作製する際に骨の出っ張りが邪魔になってしまうこともあります。 図1は、食べ物を噛むことに関係している筋肉を示していますが、噛むことによって、頭(側頭部や後頭部)や頸、肩部の筋まで影響が及んでいることがお解りになるかと思います。歯ぎしりによる異常な力は、口の中がボロボロになるだけでなく、顎関節症をはじめ、頭痛や頸・肩の痛みにも関連しているのです。最近では、腰痛やひざ痛にも関与しているケースがあることが報告されています。 歯ぎしりの原因は科学的にはっきり解明されておらず、多くの場合はストレスと考えられています。自分なりのストレス緩和法を習得してリラクゼーションを図ることが大切です。対症的には就寝中のスプリント(マウスピース)の装着が有効です(写真6左)。写真6右は歯ぎしりによって擦り減ったスプリントですが、歯ぎしりによって強く当たる部位が白く変色してしまっています。 最近では起きている間−食事以外の時間−にも上下の歯が接触する “くいしばり”や“噛みしめ癖”に注意しなければならないことが解ってきました。 写真7に顎の模型を示しましたが、安静時には上顎と下顎の歯の間には2oほどのスペース(安静時空隙)が存在します。
ストレス社会といわれる現代では、何かの作業中に、例えばテレビを見たり、パソコン、OA機器の使用中や考え事をしながら無意識のうちに歯を噛みしめていることがかなり頻繁に起こっていることと言われています。強い力でくいしばりや噛みしめを行なわなくても、上下の歯が接触するだけで顎顔面の筋肉の緊張・疲労、顎関節への負担が増大してしまい、さまざまな症状を呈するようになってしまうのです。実際、顎関節症患者の約6割に、歯の接触癖があったと報告されています。
もっとも“切歯扼腕”という言葉があるように、昔から悔しいときには歯をくいしばって、腕を握りしめるような動作が行なわれてきたんですけど…。
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