むし歯、歯周病に関しては、たくさんの引き出しを用意して診療に当たっています。例えば、他院で抜歯になると言われた歯をしっかりと残して機能させるようなケースもしばしばです。
『歯の健康』と一口に言っても様々な視点から捉えることができます。その中で『虫歯』と『歯周病』は歯科における2大疾患であり、その予防こそがダイレクトに歯の健康につながっていると言えます。
例えば、ほとんどの人が経験したことのある虫歯の治療。
歯科治療に対する恐怖心は多かれ少なかれ誰にでもあるものですが、「虫歯の1本ぐらいたいしたことはないだろう」とたかをくくっている人は多く、歯がずきずき痛み出してから歯科医院を訪れ、その時はもうすでに抜かざるを得ない状態になっている、というのでは健康増進時代である今日、ちょっと情けない話です。
歯科における予防と言えば、以前はほとんどの場合、小児の虫歯予防を指していました。ところが人口の急速な高齢化に伴い、厚生労働省は成人および高齢者に対する保険医療対策の推進を呼び掛けており、虫歯とともに歯周病による歯の喪失を防ぐことの重要性から、『8020運動』(80歳でも20本の歯を保つことを目標とした歯科保健活動)を提唱しています。
毎年実施される『歯の衛生週間』における標語も、以前は「よい歯でよくかみ、よいからだ」でしたが、今日では「歯がだいじ、食べる楽しみいつまでも」というものになっています。しかしながら、歯科疾患のほとんどは幼少期からの衛生教育とその実践によってある程度予防することが可能です。虫歯に関して言えば、3つの主要因子、すなわち@細菌(ミュータンス菌)とA宿生(歯)とB基質(食物)とが同時に相互に作用し合う複合疾患ですから、一つの方法ではこれを予防したり抑制したりすることはできません。
現在、虫歯予防のためにとられている主な方法は次の3つがあります。
@歯面に付着する細菌数を減少させる(歯みがきの励行)
A歯の抵抗性を増強させる(フッ素療法、シーラントの応用)
B食物の改善(砂糖含有食品や飲料の摂取制限)です。
また、歯周病については、
@歯と歯肉の境目の充分な清掃
Aバランスのよいかみ合わせを保つ
B定期的な検診と歯石の除去
といったことが予防となります。
虫歯も歯周病も歯みがきをしっかり行うことが最も重要な予防法です。歯石や歯垢のベッタリ付いている患者さんから「一生懸命みがいているんですけど」と言われることがありますが、これは『みがいている』ことと『みがけている』ことの違いによって生じる患者さんの錯覚です。
下記の「歯と口腔(お口)のチェック」リストの中に当てはまる症状があったら、すぐにかかりつけの歯科医師に診てもらい、治療を受けることをお勧めします。
歯とお口(口腔)のチェック
毎日、洗顔や歯磨きの前後に、鏡の前で歯や歯肉の観察(チェック)をしましょう。
常日頃のチェックこそが早期発見、早期治療につながります。
□ 朝起きたとき、口の中がネバネバしている。
□ 吐く息が臭い。
□ 歯肉がムズムズする。
□ 歯肉がはれている。
□ 歯肉の色が赤い、赤黒い。
□ 歯をみがくと歯肉から血が出る。
□ 歯垢・歯石が付いている。
□ 冷たいものや熱いものが歯などにしみる。
□ 物を噛むと痛い。
□ 歯と歯の間に隙間ができた。
□ 歯が長くなったように見える。
□ 歯と歯の間に食べたものがよくはさまる。
□ 歯がグラグラ動く。
□ 歯肉からウミが出る。歯肉を押すとウミが出ることがある。
□ 歯肉や口の中にしこりや腫れものがある。
□ 口内炎がなかなか治らない。
□ 舌にはれや赤色の部分がある。
□ その他に気になることがある。 |
当院では、新型コロナウィルスやインフルエンザ等の感染予防および拡散予防のために、次のような対応を徹底しています。
1)歯科器具・器材の滅菌・消毒
2)患者様ごとのユニット(歯科の治療台)の消毒
3)治療ごとに新しい手袋の使用
4)口腔外バキュームによるエアロゾルの吸引
5)強力な空気清浄機によるクリーンな環境の提供
詳細はこちらから
|
|