歯ぎしり・くいしばり/川口市の歯科医院 かしま歯科医院

川口市歯科医院かしま歯科 埼玉県川口市仲町2-8サンライフ碧雲2F

歯ぎしり・くいしばり

皆さんは“歯ぎしり”をしていますか?と言っても、ご自身では分らないですよね。家族に歯ぎしりを指摘されたり、起床時に顎がだるくて疲れた感じがあったり、歯の痛みや舌の違和感などの症状がある場合は、就寝中に歯ぎしりをしている可能性が高いと考えられます。中には、ご自身の歯ぎしりで夜間に目が覚めてしまう笑い話のようなケースもあります。


写真1 歯の咬耗 写真2 楔状欠損
写真1 歯の咬耗      写真2 楔状欠損

成人の咬合力(噛む力)は40〜70sと言われていますが、歯ぎしり時には300sもの力が加わることが解っており、過度の力が破壊的な力として歯や歯肉、顎、顎関節、筋肉に加わってしまいます。そのため、歯ぎしりは周囲が迷惑なだけでなく、本人にもさまざまな問題を引き起こしてしまいます。


写真1のような歯の摩耗(咬耗)は中高年の方に比較的多く見られ、中には歯にヒビが入って抜歯に至ってしまうこともあります。歯の根元のエナメル質とセメント質との境目がくさび型に欠損してしまう楔状欠損(写真2)はしばしば知覚過敏を伴います。

写真3 歯周病による骨欠損
写真3 歯周病による骨欠損



写真3のように、お口の状態が清潔に保たれているにも拘わらず、歯周病で生じるような歯槽骨の吸収が起こる場合もあります。


写真4 下顎骨の隆起 写真5 上顎骨の隆起
写真4 下顎骨の隆起      写真5 上顎骨の隆起

写真4、5は、顎の骨が隆起してきてしまったもので、強い咬合力が骨に影響を及ぼした結果と考えられます。組織的な異常は無いのですが、食べかすが溜まりやすくなって歯石沈着を起こしやすくなったり、義歯を作製する際に骨の出っ張りが邪魔になってしまうこともあります。


図1 噛むことに関与している筋肉
図1 噛むことに関与している筋肉

図1は、食べ物を噛むことに関係している筋肉を示していますが、噛むことによって、頭(側頭部や後頭部)や頸、肩部の筋まで影響が及んでいることがお解りになるかと思います。歯ぎしりによる異常な力は、口の中がボロボロになるだけでなく、顎関節症をはじめ、頭痛や頸・肩の痛みにも関連しているのです。最近では、腰痛やひざ痛にも関与しているケースがあることが報告されています。



写真6 スプリントと使用により擦り減った状態
写真6 スプリントと使用により擦り減った状態

歯ぎしりの原因は科学的にはっきり解明されておらず、多くの場合はストレスと考えられています。自分なりのストレス緩和法を習得してリラクゼーションを図ることが大切です。対症的には就寝中のスプリント(マウスピース)の装着が有効です(写真6左)。写真6右は歯ぎしりによって擦り減ったスプリントですが、歯ぎしりによって強く当たる部位が白く変色してしまっています。

最近では起きている間−食事以外の時間−にも上下の歯が接触する “くいしばり”や“噛みしめ癖”に注意しなければならないことが解ってきました。

写真7 顎の模型
写真7 顎の模型

写真7に顎の模型を示しましたが、安静時には上顎と下顎の歯の間には2oほどのスペース(安静時空隙)が存在します。
何もしていない時には上下の歯は接触しません。もちろん上下の唇を閉ざしていても、上下の歯は接触しないのが普通です。本来、上下の歯は会話や食事の際に接触する時間を含め、接触時間はトータルで1日20分程度であると計測されています。

 

ストレス社会といわれる現代では、何かの作業中に、例えばテレビを見たり、パソコン、OA機器の使用中や考え事をしながら無意識のうちに歯を噛みしめていることがかなり頻繁に起こっていることと言われています。強い力でくいしばりや噛みしめを行なわなくても、上下の歯が接触するだけで顎顔面の筋肉の緊張・疲労、顎関節への負担が増大してしまい、さまざまな症状を呈するようになってしまうのです。実際、顎関節症患者の約6割に、歯の接触癖があったと報告されています。

 

もっとも“切歯扼腕”という言葉があるように、昔から悔しいときには歯をくいしばって、腕を握りしめるような動作が行なわれてきたんですけど…。


歯ぎしりについては、マウスピースを装着する等の対症療法しかなく、決定的に歯ぎしりを治す治療法はありません。しかし、昼間から上下の歯を接触させないように意識することで、夜間の歯ぎしりも軽減し、顎関節症やさまざまな不定愁訴が軽減する可能性が考えられています。


対処方法を列挙してみると、以下のようになります。

  1. 自分が噛みしめを行っているかどうかを簡単に知る方法は・・・すなわち、今、あなたの上下の歯が接触しているようであれば、強弱の差こそあれ、それは“噛みしめ”を行っているということです。歯の接触癖のあることを自覚し、意識してやめるようにしてください。
    写真2 パソコンの貼り紙
    写真8 パソコンの貼り紙
  2. 『歯を離してリラックス』『噛みしめない』等と書いた紙を、家庭や職場の目立つところ、パソコンやデスクの脇等に貼っておきます。貼り紙を見て注意することで、次第に癖が消えていきます(写真8)。
  3. 食事はひと口30回噛んで、左右両方の歯でゆっくり食べましょう。
  4. ふだんから姿勢に注意して、良い姿勢を保つようにしてください。同じ姿勢を続けず、ときどき休息をとってストレッチしてください。
  5. 眠るときは仰向けで、また、高すぎる枕は歯をくいしばりやすくしたり、後頸部の筋肉を疲労させてしまうので、適切な高さの枕を使用してください。
  6. ストレスの緩和法を習得し、リラクゼーションを図りましょう。